真実は、事実の延長線上にしか、その姿を現しません。6月もスタッフは逃げずに立ち向かって来ました。後ろのカレンダーは彼女たちのメモで、新型コロナやA群溶連菌の陽性者数が記されています。これが現場の「もぎたての事実」です。
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千葉市感染症情報センターが、市内の「定点医療機関」の1週間当たりの陽性者数を発表しています。それによれば、
6月3日 ~ 9日:3.04名
6月10日~16日:3.39名
6月17日~23日:3.63名
6月24日~30日:4.21名
ん?1週間でわずか3~4名とはあり得ない数です。なぜこのような不思議な数値が、公表されているのでしょう?
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行政と日時を合わせて、当院の「もぎたての事実」を集計すると、
6月3日 ~ 9日:43名
6月10日~16日:39名
6月17日~23日:53名
6月24日~30日:68名
となり、「定点医療機関」との差は、実に10倍以上となります!ちなみに、周辺の医療機関で、うちより陽性者が多い所は何か所もあります。
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狭い千葉市の中で、コロナの流行にこれほど大きな地域差が存在するはずがありません。従って、公的機関から「現場の実態とは大きくかけ離れた数値」が公表される原因として考えられるのは、以下の三つです。
① 定点医療機関が本来やるべき検査をやらない。
② 検査はやったが、お上への報告を怠っている。
③ 報告はされているが、お上がもみ消している。
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解明は健全なメディアにお任せしますが、それにしても、国民の命に直結する医療政策が、このように事実とは全く異なる「公的データ」を判断材料として決められて行くのは怖いことです。戦時中の「大本営発表」と同じニオイを、皆さまもお感じになるのでは?